新型コロナ感染症拡大に伴って、特に大きな影響を受ける事業者に対して、事業の継続を下支えする目的で発表された「持続化給付金」について解説します。
この給付金は、売り上げの落ちた事業者に対して支払われ、事業全般に使える給付金ですので、該当事業者はぜひ申請をしてください。
- 持続化給付金とは
支給対象は?
給付の要件 - 申請の開始時期・申請方法
申請期間
申請方法 - 支給金額
支給上限の計算方法
支給金額は収入扱い? - 持続化給付金の申請に必要な書類
法人の場合
個人事業主の場合 - 創業特例(2019年設立の法人)
- 法人成り特例
- 副業でも給付金の対象となるか
- ご相談対応について
持続化給付金とは
感染症拡大により、特に大きな影響を受けている事業者に対して、事業の継続を支え、再起の糧となる、事業全般に広く使える、給付金を支給します。
なお、令和2年度補正予算案の成立を前提としていますが、既に具体的な内容や条件・申請方法については発表されました。その点につきましても解説いたします。
支給対象は?
下記が対象となる事業者です。一般の法人だけでなく、医療法人や農業法人などの社団法人なども対象となります。個人事業主も対象となります。
資本金10億円以上の大企業を除く、中堅・中小法人、個人事業者が対象
給付の要件
下記の給付対象要件を満たしている必要があります。
- 2020年4月1日時点 で、資本金の額又は出資の総額が10億円未満もしくは常時使用する従業員数が2,000人以下
- 2019年以前から事業収入(売上)を得ており、今後も事業継続意思があること
- 2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、前年同月比で事業収入が50%以上減少した月(対象月)が存在すること
2019年以前から事業を行っていることが前提ですが、2019年に開業・創業した事業者も特例を使って給付が可能となります。
また、医療法人、農業法人、NPO法人、学校法人、社会福祉法人など、会社以外の法人についても幅広く対象となっています。
申請の開始時期・申請方法
申請期間
令和2年5月1日から令和3年1月15日まで
申請方法
持続化給付金の申請用HPからオンラインで申請
支給金額
給付額は最大で、法人:200万円、個人事業者等:100万円、です。
売上の減少分が上限となっています。
支給上限の計算方法
支給額の上限は、売上の減少分です。計算方法は以下の通りです。
(前年の総売上(事業収入))-(前年同月比▲50%月の売上×12か月)
具体例で計算してみると下記のようになります。
今年4月の売上が30万円で、昨年の4月売上が70万円。
年間売上が900万円だとすると、
900万円-(70万円-30万円)×12ヶ月=420万円
給付金額は最大で200万円なので、このケースだと200万円の給付になります。
給付額は最大で200万円になりますので、420万円でなく、200万円が給付額となります。
支給金額は収入扱い?
持続化給付金は、税務上、益金(個人事業者の場合は総収入金額)に算入されますので、課税所得となります。(期末に利益が生じていなければ(結果的に)課税対象とはなりません)
持続化給付金の申請に必要な書類
法人の場合
下記、1・2はオンラインで入力。3~5はデータをオンライン上に保存します。
- 法人の基本情報(法人番号や住所・業種など19項目)
- 口座情報
- 確定申告書類
・確定申告書別表一(1枚)
・法人事業概況説明書(2枚) - 減収月の事業収入額を示した売上台帳等
対象となる月の売上台帳など - 通帳の写し
個人事業主の場合
下記、1・2はオンラインで入力。3~5は、データをオンライン上に保存します。
- 基本情報(屋号や住所・業種など13項目)
- 口座情報
- 確定申告書類
(青色申告)
・確定申告書第一表(1枚)
・所得税青色申告決算書(2枚)
(白色申告)
・確定申告書第一表(1枚) - 減収月の事業収入額を示した売上台帳等
対象となる月の売上台帳など - 通帳の写し
4ついては、法人、個人事業主ともに、様式の指定はありません。
創業特例(2019年設立の法人)
2019年1月~12月までの間に法人を設した場合、対象月の月間事業収入が2019年の月平均の事業収入に比べて50%以上減少している場合、特例の適用を選択することができます。
法人成り特例
2019年は個人事業主で、2020年になってから法人成りした場合も、給付要件が満たせば、申請を行うことができます。
ただし、給付の上限に関しては、
法人設立日が2020年4月1日までの場合:上限200万円
法人設立日が2020年4月2日以降の場合:上限100万円
となります。
副業でも給付金の対象となるか
副業の方でも、確定申告において事業収入がある場合は対象となります。
しかし、残念ですが不動産収入は対象外となっています。個人で不動産賃貸経営を行なっている方は、持続化給付の支給対象から外れてします。
(法人で、不動産事業を行なっている場合は給付対象です。)
持続化給付金の動画解説
経済産業省が動画でも案内しています。